デンゼル・ワシントン主演、ジョナサン・デミ監督作の「The Manchurian Candidate」と言う映画を観ました。2004年の作品。
邦題は「クライシス・オブ・アメリカ」です。
1962年のフランク・シナトラ主演の映画『影なき狙撃者』を、フランク・シナトラの愛娘、ティナ・シナトラがプロデュースして、現代風にリメイクした作品。
原題のとおり、原作は朝鮮戦争に関するものだったけれど、今回のは湾岸戦争におきかえられていて、この題名にあるManchurianはあんまり関係していません。
ストーリーは湾岸戦争時、クウェイトで戦友たちの命を救ったということで英雄的行動を称し勲章ももらった元陸軍、今は政治家となったレイモンド・ショウ(リーブ・シュライバー)を洗脳してアメリカを支配しようと企むレイモンドの母であり女性政治家の(メリル・ストリープ)陰謀。自分の記憶はもしかして植え付けられたものなのかもしれない、と真相を突き止めようとするクウェイトでレイモンドのいる隊のキャプテンであった陸軍少佐(デンゼル)というサスペンス。
デンゼルの出ている映画ってほぼはずれがないですが、これもう?ん、すごかった。
個人的にはかなり気に入りました。
デンゼルはもちろんさすがの演技ですが、洗脳された息子役のリーブ・シュライバーが、素晴らしかった。
なんかいかにも神経質そうな感じで、無機質な怖さをうまく演じていたと思います。
こういう青年政治家がいそうだよなあ、って思うもの。これは彼にはぴったりな役だったと思います。
そしてほんと観ていていらいらするメリル演じる政治家の母、というのも、うまいね!
役とはいえ、ほんと嫌な人だとむかつくようなあの演技はやっぱりさすがですね。
デンゼル演じるベン・マルコを助ける謎の女性を演じたKimberly Eliseという女優さん、Prideにも出ていたけれど、クラシックソウルとでも言うべき美しさのある女優さんで、私は好きですね?。
↑この人
ベンに「何かおかしい」と訴えた、この陰謀究明の発端となった元陸軍兵士のアル・メルヴィン役のJeffrey Wrightも出番はそんなにないんだけれども、印象的でした。
↑Jeffrey Wright
とにかく実際起こっているんじゃないか、と思える政治と戦争とその裏にうごめくコーポレーションの陰謀がやけにリアルな感じで怖いです。
でもそれだけじゃなくて、メリル演じた政治家であり母である女性の姿が悲しかったなあ。
女性であるがゆえ、政治と言う舞台で壁にぶち当たってしまったであろう彼女が大統領になってこの国を動かせないのならば、自分の息子にその夢を託し、大統領の母になろう、というそのすさまじいまでの想い。
彼女がやったことはあまりにもスケールが大きくて危険すぎたわけですが、でもなんか「あなたのためにやったのよ」といいつつ、実は自分のエゴのための行動であった、というのはよくあることですよね。
息子のためにもこれが正しいと思ってマインドコントロールと言う道にまで踏み込んでしまった彼女も、ある意味洗脳されていた状態にあったのかもしれませんね。
すごくよく出来た作品で、監督もあの「羊達の沈黙」のジョナサン・デミ、デンゼルとメリル出演というわりにはあまり取り上げられなかったような印象がありますが、どうしてでしょう?
それにしてもやっぱりデンゼルはすごいな。彼のでている作品は個人的にはすごく好きです。
社会的なものでいろいろ考えさせられるし、そういうのを抜きにしても、サスペンス・スリラーとして楽しめる作品ばかり。
ちょっと前に彼がオスカー主演男優賞を獲った「トレーニング・デイ」も見たけれど、これも作品としては私はあまりすきに離れなかったけれど、汚れ役をうまく演じていたしね。
アメリカン・ギャングスター、デジャヴ、インサイド・マン、マン・オン・ファイアと全部見ましたが、どれも非常に今の社会を映し出すようなメッセージ性のある作品ばかりです。
ということで、これから先もますますデンゼルの出演作からは目が離せなそうです。
邦題は「クライシス・オブ・アメリカ」です。
1962年のフランク・シナトラ主演の映画『影なき狙撃者』を、フランク・シナトラの愛娘、ティナ・シナトラがプロデュースして、現代風にリメイクした作品。
原題のとおり、原作は朝鮮戦争に関するものだったけれど、今回のは湾岸戦争におきかえられていて、この題名にあるManchurianはあんまり関係していません。
ストーリーは湾岸戦争時、クウェイトで戦友たちの命を救ったということで英雄的行動を称し勲章ももらった元陸軍、今は政治家となったレイモンド・ショウ(リーブ・シュライバー)を洗脳してアメリカを支配しようと企むレイモンドの母であり女性政治家の(メリル・ストリープ)陰謀。自分の記憶はもしかして植え付けられたものなのかもしれない、と真相を突き止めようとするクウェイトでレイモンドのいる隊のキャプテンであった陸軍少佐(デンゼル)というサスペンス。
デンゼルの出ている映画ってほぼはずれがないですが、これもう?ん、すごかった。
個人的にはかなり気に入りました。
デンゼルはもちろんさすがの演技ですが、洗脳された息子役のリーブ・シュライバーが、素晴らしかった。
なんかいかにも神経質そうな感じで、無機質な怖さをうまく演じていたと思います。
こういう青年政治家がいそうだよなあ、って思うもの。これは彼にはぴったりな役だったと思います。
そしてほんと観ていていらいらするメリル演じる政治家の母、というのも、うまいね!
役とはいえ、ほんと嫌な人だとむかつくようなあの演技はやっぱりさすがですね。
デンゼル演じるベン・マルコを助ける謎の女性を演じたKimberly Eliseという女優さん、Prideにも出ていたけれど、クラシックソウルとでも言うべき美しさのある女優さんで、私は好きですね?。
↑この人
ベンに「何かおかしい」と訴えた、この陰謀究明の発端となった元陸軍兵士のアル・メルヴィン役のJeffrey Wrightも出番はそんなにないんだけれども、印象的でした。
↑Jeffrey Wright
とにかく実際起こっているんじゃないか、と思える政治と戦争とその裏にうごめくコーポレーションの陰謀がやけにリアルな感じで怖いです。
でもそれだけじゃなくて、メリル演じた政治家であり母である女性の姿が悲しかったなあ。
女性であるがゆえ、政治と言う舞台で壁にぶち当たってしまったであろう彼女が大統領になってこの国を動かせないのならば、自分の息子にその夢を託し、大統領の母になろう、というそのすさまじいまでの想い。
彼女がやったことはあまりにもスケールが大きくて危険すぎたわけですが、でもなんか「あなたのためにやったのよ」といいつつ、実は自分のエゴのための行動であった、というのはよくあることですよね。
息子のためにもこれが正しいと思ってマインドコントロールと言う道にまで踏み込んでしまった彼女も、ある意味洗脳されていた状態にあったのかもしれませんね。
すごくよく出来た作品で、監督もあの「羊達の沈黙」のジョナサン・デミ、デンゼルとメリル出演というわりにはあまり取り上げられなかったような印象がありますが、どうしてでしょう?
それにしてもやっぱりデンゼルはすごいな。彼のでている作品は個人的にはすごく好きです。
社会的なものでいろいろ考えさせられるし、そういうのを抜きにしても、サスペンス・スリラーとして楽しめる作品ばかり。
ちょっと前に彼がオスカー主演男優賞を獲った「トレーニング・デイ」も見たけれど、これも作品としては私はあまりすきに離れなかったけれど、汚れ役をうまく演じていたしね。
アメリカン・ギャングスター、デジャヴ、インサイド・マン、マン・オン・ファイアと全部見ましたが、どれも非常に今の社会を映し出すようなメッセージ性のある作品ばかりです。
ということで、これから先もますますデンゼルの出演作からは目が離せなそうです。