前から見たいなあ、と思っていた映画「The Kingdom」をようやく昨日映画館に行ってみてきました!
http://www.thekingdommovie.com/

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日本では「キングダム/見えざる敵」というタイトルでもう公開しているのかな?(http://www.kingdom-movie.jp/)

ジェイミー・フォックス、ジェニファー・ガーナー、私の好きな渋いオヤジ俳優のクリス・クーパー出演の社会派アクションドラマ。

サウジ・アラビア、リヤドの外国人居住区で勃発した自爆テロの真相を探るために4人のFBI捜査官たちが極秘捜査に乗り込んで、現地の警察官チームたちと組むでいくんですが、いやあ、すごい映画だった。

政治的なものがかなり絡んできてるので、私の英語力ではちと理解するのも大変でしたが、でも映画のストーリーラインはそんなに複雑ではないですね。

思ったことはいろいろあるんですが、ピーター・バーグという監督さん(彼は役者さんでもあるそうですね)、いい仕事してますね。
シリアスでインテンスな作品でありながらも、ちょこちょこジョークをちりばめていました。

前半はその政治的なやりとりの台詞が多いので、ちょっと見ているほうもだれてきそうになりますが、後半はすごいです。もうものすごい勢いでアクションが繰り広げられます。

このアクションがね?、またすごい。ジェニファー・ガーナーもすごかった。

でもこの作品のよいところは善悪をものすごくはっきりと映し出しているのではなく、どこか曖昧さを残しているところだと思う。

テロを仕掛けたサウジのテロリストと、そこにいる全ての人が悪くて、そこに乗り込んで来たアメリカFBIはいい人、っていうんじゃなくて、アクションシーンなんか見ると、もうどっちもどっち、そこまでやるの?と思うし、その反面、どちら側にも家族と過ごす時間をみせて人間性を出していて、彼らもうちらと同じなんだよ、っていうメッセージを入れているところもよかった。

エンディングも多分「え?、なんだよ!」って思う人がいるかもしれないけど、私はあれでよかったと思う。
テロリストがいて、それを攻撃する人がいて、事件としては一件落着したようだけど、実は両方の傷を深めただけで、憎しみが増徴してしまうんじゃないかな?
でもそれだけのネガティブなだけでなく、サウジの警察官とFBI捜査官との友情も描いていて、一対一で付き合うことでの人間としての交流のポジティブさも見せていて、それが現実なんだ、と思う。

作り手のメッセージは私達に今の世界をよく見て、よく考えてみない?と言っているんじゃないかなあ。
彼らも理解できない部分もあるけれど同じ人間で、今アメリカがしていることがどんな状況をもたらしているのか、憎しみを増やしているだけなんじゃないのか?とかね。

まあとにかく、アメリカにいなくても、移民の多いトロントにいる身としては非常に考えさせられる映画でした。

この映画のみどころはサウジの警察官を演じた役者さんたちの演技です!
ちょっときれいに描かれすぎていた感じもなくはないけれど、彼らがとってもいい演技をしていました。

みんなにもぜひ観てもらいたい作品です!