最近はずっとアメリカの警部補スリラーものを読んでいましたが、もうちょっと違う感じのものが読みたくなって手にしたのがこの本。

The Kite Runner
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日本でも『カイト・ランナー』、同じタイトルで出版されています。

カイト・ランナー
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アマゾンより
「二〇〇一年夏、パキスタンにいる友人から一本の電話がくる。この電話回線の先にあるのは、わたしの過去、まだ償いの終わっていない罪…。電話を切る直前、 彼はふと思いついたようにいった。「もう一度やり直す道がある」小さい頃、わたしは召使いであるハッサンとよく遊んだ。追いかけっこ、かくれんぼ、泥棒 ごっこ、そして凧あげ。わたしはちゃんとした学校へ通っていて、読み書きもできる。しかし、ハッサンは世の中の「真理」をすべてわかっているようだった。 真理とは、愛や慈悲、そして罪、というものについてだ。十二歳の冬の凧合戦の日。ついにそれが起こる。記憶の底に決して沈めてしまうことのできない罪…。 他人を救うことの困難さ、友情、愛、畏れについて深く考えさせる、アフガニスタン出身作家の鮮烈なデビュー作。 」


数年前に映画になってたのは知っていました。でも原作の本があることは知らず。
goodreads.comという本好きさんのためのサイトでおすすめされていて読んだんですが・・・うーん深い。そして、重い。

読んでいる間、何度胸が締め付けられただろう。
アフガニスタンという国に忍び寄る影、裕福な子供とその召使の子供との関係。
アメリカに渡っての生活。父親との関係。
はっきり言って、何度か途中で読むのをやめようか、と思いました。
もっとライトに読める他の本に切り替えようか、とも思いました。

なのに寄り道せずに、一気に読み終えました。
それだけやっぱりひきつける本だった、と思います。


召使という立場に生まれた子供。差別されるハザラ人という民族に生まれたゆえの過酷な人生。

アフガニスタンだから、ではなく、どの国にもあった差別の歴史。

思った以上に自分にひきつけて読んでいたと思います。
学生時代にいじめられたことや祖国を離れて異国の地で暮らす、というところに自分と本の内容が少し重なっているからでしょうか。

私の住む、カナダ・トロントにはたくさんのバックグラウンドを持つ人々が住んでいます。
その人々が一体どんな理由でここに移り住んできたのか。
私のように一人で移り住むという人より、断然家族でやってくる人のほうが多いです。
私は海外で生活したいという憧れがあってやってきたけれど、きっとそんな恵まれた状況で移り住む人より、祖国の様々な状況によって、よりよい生活を送るために移住してきた人のほうがきっと多いのではないかと思います。
難民として受け入れられる人もいます。

デイブの職場では部署で働く人はみな、海外で生まれた人で、カナダ生まれはデイブ一人。
イラク出身という同僚もいます。

そんな移民一人一人に、ストーリーがある、ということを、再確認させられました。

移民として、異国の地で暮らすこと。切り離すことのできない祖国との関係。
祖国の文化と、移り住んだ国との文化とのバランスをとることの難しさ。

そういうのも、私には響いてきました。


とにかく、気楽に読めるような本ではありません。
でも、こういう世界があるんだ、ということ。アフガニスタンというとどうしても暗いところがフォーカスされがちですが、そういう一面だけではないのだよ、という当たり前のことですが、気づかせてくれる本でもあると思います。


長くなりました。
著者のインタビューなども読んで、他にも書きたいことはあるのですが、このくらいにしましょうか。

いろいろなことを考えさせられた本でした。映画も探してみようと思います。


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