ここ最近、日本のニュースを見ると、いじめ問題についての報道が続いていますね。

私も中学生の頃、辛い思いをしたので、本当に読んでいて、胸が苦しくなります。
ずっと、ずっと思っていたことだけれど、今回はちょっと書いてみます。


なんと言っても、いじめた側の子達が、いじめではなく「遊び」と思っていたっていうのがやはり気にかかります。

そうなんです、いじめている方はいじめているなんて思っていないんですよね。

私の時もそうだったと思うんですよね。
「汚い」といってすれ違うと飛びのかれたり、席替えで隣になった男の子には「嫌だ」とか「最悪」とか騒がれるわ、挙句の果てに電話でうその告白みたいのをされたり。
罰ゲームで私に触る、とか・・・

でもいじめた子達にしてみたら、それは「遊び」なんだよなあ。私をいじめた子達もきっと「からかっていただけ」と思っていたんじゃないかなあ。
それがもう切ない。
怒りになると言うより、とにかく切ない。

彼らが自分たちのした行為を「いじめ」であると認識できなかったら、どうやっていじめを防げるの?
でも、いじめを定義するとしたら、それはした側が定義するのではなく、された側がいじめだ、と思ったら、もうそれはいじめなわけです。

それはやっぱり、いじめられなければわからないんですよね。
だからいじめられてみろ、なんてことは言いません。でも「もし自分だったら」と思考を置き換えられることができたら、と思うのです。

誰だって、いじめられるのは嫌です。仲間はずれにされるのは怖いですよね?
だったらどうしてそれを人にするの?

いじめらる立場としては、やっぱり周りに言いにくいんですよ。私も家族にも言えなかったし。
ほんと、学校が嫌でした。自分は生きてる価値がないんじゃないか、と思ったことも、ある。
でも、学校が全てではない、と私は心のどこかで思っていました。
だからこれは永遠には続かない。ひたすら、時が過ぎるのをじっとじっと忍んでいました。

いじめられるほうに原因がある、とかなぜ言い返さないんだ、と思うかもしれません。
でも何を理由にいじめていいの?
家族のことで?外見で?何かがみんなと違うから?
すでにいじめられて辛い思いをしているのに、いじめられるほうが悪い、なんて責められたら、逃げ道がまったくなってしまうんです。

いじめられて、じっと我慢しているのもだめですか?
言い返して次、何されるかわからないのに?その恐怖がどれだけのものか、想像したことがありますか?

時に言い返すことも、もちろん必要です。
私も罰ゲームで私に触る、というのを男の子たちにされた時は、はっきりと「やめて」と言いました。
彼らは、今まで何も言わなかった私が強い姿勢で抵抗したので、びっくりしたみたいで、その後、そう言う罰ゲームはなくなりましたけどね・・・

電話でうその告白みたいのをされた時も、もちろんすぐに遊びでやってるのはわかりました。
でも、人の心をそうやってもてあそぶというのは、「遊び」じゃない。
誰にも尊厳というものがあって、それを傷つけるのは、中学生とはいえ、許されることではない、と私は思う。

特に中学生と言う多感な時期。その傷は一生忘れられないんです。

私もたまーに当時、わたしを「からかった」子達のことを考えたりします。
「復讐」とかそんなことはこれっぽちも思いません。
そんなのは時間とエネルギーの無駄だし、自分が他の人に同じ事をしたいとも思わないし。

でも、彼らが、今、もうちょっと人に優しい、人をリスペクトできる人間になっていてくれたらいいな、と思うのです。

当時の同級生たちも、30代。
会社で、同じように同僚を「からかったり」していないといいな、と。
子供のいる人もいるでしょう?自分の子供がいじめられてほしいなんて、もちろん思ってないでしょうし、いじめる側にもなってほしくないでしょう?
でも、自分の子供の頃は、どうだった?
そして、今までの人生のどこかで、自分が「いじめ」をしていたんだ、ということに気がついてくれていたらな・・・

私個人のことを言えば、いじめられた傷は癒えています。
いじめられたことで、人に優しくしよう、と思えるようになった、と思います。
でも、いじめられてよかったとは、もちろん思えません。
そこから見えてきたことはあっても・・・

今、いじめられている人へ言いたいのは、「それはずっとは続かないよ」ということ。
必ず、その先に光があって、もっともっと素敵な世界があるんだよ。
そして、きっとこの経験が糧になる未来が来るんだよ。
いじめる人というのは、弱虫なんだよ。あなたの方が、ずっと強い。
誰にも、あなたの尊厳を奪うことはできない、と。

そして、もしまわりにいじめられている人がいるならば・・・
いじめている人に立ち向かうのは、直にいじめられていなくても、難しいことだと思います。
それならば、いじめられている人に、寄り添ってあげてください。ちょっと挨拶をするだけでも、話し掛けるだけでもいいんです。

中学時代、行きたくなかった学校に私がそれでも通いつづけて卒業できたのは、部活動とそうやって静かに寄り添っていてくれる友人たちがいたからです。
周りの子達のように、私を「からかう」いじめっ子たちの様子をみて、知らん顔したり、どこかで見下して私のことを笑ったりすることの方が、きっと簡単だったろう、と思います。
そのほうが彼女たちもいじめられずに済むんだから。または人気に惑わされて、そっち側につく、というのもわからないことじゃないし。

でも、私の友達は、そういうことをしなかった。
いじめっこに「やめなよ」と言わなくても、ずっと、友達でいてくれた。その存在がどれだけ重要だったか。
彼らも、とても強い心をもった素晴らしい人たちだ、と思います。


・・・長くなりました。

どうか、少しでもいじめが少なくなりますように・・・