Jonathan Safran Foerによる本「Extremely Loud and Incredibly Close」を読み終えました。

extremelyloud


こちらでは今映画が公開されています↓
http://extremelyloudandincrediblyclose.warnerbros.com/index.html

日本では「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」という邦題で本も発売されているし、映画も2月に公開予定だそうです。
(ほとんど北米と変わらない時期に公開というだけあって、期待作なのがわかりますね)
http://wwws.warnerbros.co.jp/extremelyloudandincrediblyclose/index.html


アマゾンから本の紹介文を↓

「歴史的な悲劇から、
希望に溢れる神話が生まれた─

全米ベストセラー、人気若手作家による9・ 11文学の金字塔、ついに邦訳。9歳の少年オスカーは、ある鍵にぴったり合う錠前を見つけるために、ママには内緒でニューヨークじゅうを探しまわってい る。その謎の鍵は、あの日に死んだパパのものだった……。全米が笑い、感動して、心の奥深くから癒された、時代の悲劇と再生の物語。ヴィジュアル・ライ ティングの手法で編まれる新しい読書体験も話題に。 」

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
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大好きな父親を9・11で亡くしたオスカーが父の死を乗り越えるため、ニューヨーク中を謎の鍵の錠前を探して歩き回ります。
若くして父を失った少年の心の傷。そして父親の出生について、オスカーの祖父母の歴史。

写真や手紙をスキャンしたようなものが差し込まれていたりして、とても新鮮。
でもちょっと読みにくいところもあり。

上のアマゾンの紹介文では「全米が笑い、感動して、心の奥深くから癒された、時代の悲劇と再生の物語」と絶賛していますが、Wikiを読むと、どうもそこまで絶賛されたわけではなくて、評価はまちまちで、かなりシビアなものも多かったようです。

9・11を利用している、なんていう酷評もあるようで、ちょっと著者がかわいそうかな、という気がします。
著 者は30代半ば。これが第2作目。インタビュー(http://motherjones.com/media/2005/05/jonathan-safran-foer)を読むと、彼自身もニューヨークに住んでいるから、9・11を扱わないほうがリスキーだ、と言っています。

あの出来事にどれだけ多くの人が傷ついたか、その怒り、やりきれない思いというのはオスカーの言葉を通して伝わってきました。

オスカーの祖父母の物語なども入ってきて、はじめは「??」という感じで、はっきりとした答えを見出したいという読者にはずいぶんもやもやした作品に思えるかも。

私はそういうの、嫌いじゃないんです。でもうーん、もうちょっと一つくらいはっきりしたものがあってもよかったかも。
全体的にいろんな描写(オスカーの口調も含めて)がとても詳細で長いのでちょっと飽きるところもあります。そういう意味でもすごく現代的な感じがしました。

途中、広島の原爆の回想シーンが差し込まれていたり、著者の戦争・テロといったものへの思いがコラージュされているな、と私は思いました。

ただやっぱり全体的にちょっとまとまりがないというのも否めないところです。

映画も気になるな~。トム・ハンクスとサンドラ・ブロックがオスカーの両親役というんだけれど、読んだイメージからはもうちょっと若い両親な感じがするんだけどな~。
アカデミー賞の助演俳優と作品賞にもノミネートされてます。
オスカーナイトは2月26日ということなので、それまでに劇場で見たいと思います。