うちの会社はカルチャーセンターのような施設の2階にあります。
毎週火曜日は多くのお年寄りが集まります。

年をとっても素敵におしゃれを楽しんでいる婦人たち。
お友達と楽しそうにおしゃべりしている彼らの姿を見かけるたびに、去年の夏に亡くなった祖母のことを思います。

日本の家族の写真はベッドルーム、ドレッサーの上に飾ってあって、毎日必ず目にします。
そのたびにおばあちゃんに心の中で話し掛けている自分がいます。

それまで死後の世界のことなんて信じていたわけでもなかったのに、私はおばあちゃんにこんな風に話し掛けています。
「おばあちゃん、元気にしてる?もうおじいちゃんにはそっちで会った?」

今でも死後の世界を信じている、というのではないんだけれど、どこかでおばあちゃんはきっと空から自分たちのことを見守っている、と思えてならないんですね。
だから何かあると話し掛けちゃう。
「どうか見守っていてね」とか「大丈夫、心配しないで」とか。

やっぱりまだ自分の中でおばちゃんが亡くなったということがしっくりきていないのかな?
私は生まれてからずーっと、カナダに移住するまでこの母方の祖母と一緒に暮らしてきました。
うちが自営業ということもあって、母は専業主婦とはいえ、うちの会社の会計のことをやったりなんだりでかなり忙しく、幼い頃は特に祖母と一緒に過ごす時間が多く、私にとっての祖母はやっぱり特別な存在なのです。

数日前に母と電話で話した時も、母は「しばらく気持ちもぼうっとしていたんだけど、ようやく落ち着いてきた」と言っていたっけ。
母もずーっと一緒に暮らして、介護もしてきた祖母が亡くなって、生活も変わってどこか気が抜けたような気持ちになっていたみたい。

子供もみんな家から出て、今は父と母と愛犬ころ君の3人。ちょこちょこ二人で日帰り旅行に行ったりして楽しんでいるようです。

家族と離れて、もうすぐ10年。でもやっぱりいつも家族のことを考えています。
そういう家族がいるということがありがたい。
そんなことを遠く離れたカナダのオフィスビルで思うのでした。