マヤ・アンジェロウという名前、聞いたことがある人も多いかと思うのですが、私も名前だけ知っていて、彼女の詞を曲にしたものもいくつか耳にしていました。

そんな彼女の自伝のうちの一つ「I Know Why the Caged Bird Sings」がKindleで読めることが判明したので、読みました。

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彼女のオフィシャルサイト→http://mayaangelou.com/

1928年生まれの彼女は黒人の女性詩人として有名です。今でも元気に活動されているようですね。そんな彼女の16歳までの記憶を綴ったのがこの本です。

日本では「歌え、翔べない鳥たちよ」という題で出版されています。

歌え、翔べない鳥たちよ―マヤ・アンジェロウ自伝
歌え、翔べない鳥たちよ―マヤ・アンジェロウ自伝
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I Know Why the Caged Bird Sings
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うーん、いやあ、マヤ、やっぱりすごく大人びた子供だったんだなあ、と実感。
アーカンソーの田舎で、敬虔なクリスチャンのおばあちゃんとの暮らしから、セント・ルイス、サンフランシスコでの都会での母親との生活。
アメリカという同じ国の中でもずいぶん違った経験をしたようです。彼女が小さかった頃は今よりずっと都会と地方での差は大きかったはずだしね。
そしてもちろん人種差別の現実にも直面。10歳にもならないころから、世の中の不条理を認識し、噛み締めて生きてこなければならなかった子供時代。
レイプ、ジャンクヤードでの生活、ストリートカーの運転手としての仕事、妊娠。やっぱりすごい経験をしてきたんだな~。

時代も人種も違うけれど、でも読んでいて「ああ、わかるな」と思うところもありました。
どこか周りになじめない幼少期のマヤ。でもとても敏感な心の動き。誰にも言わずに、でも本当にいろんなことを考えていたんですね。

この本は読んでいて、情景が浮かんでくるんです。アーカンソーの夏の眩しさ、賑やかさ。セントルイスの埃っぽい都会の町並み。
メキシコのちょっと怪しい酒場、などなど。それがやはり書き手としての彼女のうまさなんだろうな。


ずっとどこか気になっていたマヤ・アンジェロウ。その彼女の本を読めてよかったです。他にも確か自伝は4冊くらいでているんです。機会があればまた読みたいと思います。