水曜日の夕方です。勤務時間は終わって、デイブが車でピックアップしてくれるのを待ってるところ。

暇なので、また本の紹介を・・・

「かかし長屋」 半村良

http://hanmura.com/


かかし長屋 (集英社文庫)
かかし長屋 (集英社文庫)
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アマゾンより
「棟梁に褒められ有頂天になる大工、盗賊としての過去を隠した扇職人、対人恐怖症で五千石を棒に振った旗本の次男坊、玉の輿に乗る娘など、この江戸下町の長屋 にはさまざまな人たちが暮らす。そして彼らを助ける証源寺の住職忍専。ふりかかる事件にも自分たちの知恵で切り抜けていく。そんな長屋住人たちを闊達な 筆で描きだす人情時代小説。第六回柴田錬三郎賞受賞作。 」


これも日本に帰ったとき買ってきた本です。
以前も半村さんの本を読んだことがあったと思うんですが、なんだか忘れてしまいました・・・

長屋ってなんだかとっても魅力的な感じがします。もちろん実際は貧乏なその日暮らしの庶民が肩寄せあって暮らしていて、大変だったと思うんですが、長屋一つがもう大家族みたいな感じなのがいいですよね。

ここでの長屋もまさにそんな感じ。口うるさいばあちゃんがいて、女に貢いじゃってる商売人がいたり、もと盗賊の職人とか。
みんなが助け合って、自分たちの長屋の平穏を守ろうとするストーリー。
みんな決して魅力的、といえる登場人物ではないんですが、でも読んでいくとなんだか応援したくなっちゃうんです。
やっぱりうまいなあ、と思いました。

こういう時代物はへたするといい人ばかりが集まって、いかにも物語り調になってシリーズ化されるということもかなりあるんですが、やっぱりそうなるとちょっとつまらないんですよね。
でもこれは登場人物にどこか癖があって、でも憎めない。決して大きなスポットライトをあてているわけじゃないんだけれど、きちんと印象に残るようになっているんです。
それをシリーズ物にしようとストレッチするんじゃなく、凝縮して詰め込んだ感じ。
みんな人間臭くて、いいなあ。こういうのが私は好きです。

おもしろいので、ぜひ。