最近、更新が滞っていて申し訳ないです。
仕事は忙しくはないんですが、やはりもうすぐのロンドン旅行の準備やら、月曜日はサンクスギビングでその準備をしていたりでちょっと心がそわそわしてたかも。
こういうときこそ、自分の気持ちを文字にすると落ち着いていいんだけれどね・・・
 
こちらは朝はもう10度以下で、冷え込んできています。
まだものすごく寒いというわけではなく、気持ちがしゃっきりするような気持ちのいい感じ。
時々ここでのこういう朝の空気から、家族旅行で行った温泉地で迎える朝を思い出したりします。
風景も全然違うのに、雰囲気とすがすがしい空気が似ているような感じがするのです。

でもそのうちこんなすがすがしい朝はあっという間に過ぎ去り、今度は寒すぎる冬の朝になるのでしょう・・・
今朝もすでに外に出たら息が白くなっていたし。
 

ここ最近はずっと図書館で日本語の本を借りて読んでいます。
 
最近読んだものを紹介!
 
阿川佐和子
「ガハハのハ」
「ワハハのハ」

阿川佐和子のガハハのハ
阿川佐和子のガハハのハ
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阿川佐和子のワハハのハ―この人に会いたい〈4〉 (文春文庫)
阿川佐和子のワハハのハ―この人に会いたい〈4〉 (文春文庫)
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阿川さんのエッセイは結構好きで今までも何度も読んでいます。こちらは各著名人の皆さんをインタビューしたもの。
阿川さんはインタビュアーに徹して、あまり自分を出していないけれど、それでも彼女らしい親近感で、ゲストにすんなり話をさせてしまうあたり、さすがです。
いろいろな人のいろんな話が聞けてとても面白しろかった!
 

重松清
「送り火」

送り火
送り火
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前から気になっていた作者。初めて読みました。これは短編集。
どの話もリアリティに溢れ、すごく印象的。
特にやはり本のタイトルにもなっている「送り火」。
遊園地のシーンの幻想的な感じは読んでいて、その景色が目の前に広がるような感じで圧倒的な存在感がありました。
映像化したらいいのにな~と思ったけれど、ストーリーが短いから難しいかな?
他の話もみんな家族や死、近所付き合い、いじめといったなかなか重いテーマなのですが、不思議と読んでもどーんと暗い気持ちにはならないから不思議。
どこかにきちんと光を残している感じもうまいなあ、と思いました。
この作者さんの本はもっと読んでみたいです。
 

乃南アサ
「駆け込み交番」

駆けこみ交番
駆けこみ交番
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新人警察官が交番勤務で出会う地元のお年寄りとの交流から繰り広げられる事件の数々。
主人公は若い警察官というよりは元気なお年寄りたち、かな?
地域交流が未だに深く根付いていることで、地域の安全を守ったり、何かおかしい、と感じたり・・・
確かに小さい頃、うちの周りもご近所さんとはみーんな顔見知りで、おばちゃんたちが井戸端会議してたりしてたな~。
ああいうのはどうも面倒な感じがしていたけれど、でも地域の人々がお互いを知っているというのはやっぱり大切ですね。
 

桐野夏生
「東京島」

東京島
東京島
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ちょっと前に映画になってましたね。今調べてみたら、これアナタハン島事件という実際に起こった出来事がモデルになっていたんですね!びっくり。

でも実際の事件とこの本とではいわゆる島に取り残された多くの男性に女性一人というところだけで、実際の事件では戦時中だったことでアメリカ軍の目を避けなければならないという事情があったり、他にも島民がいたり、無人島というわけではなかったみたいですが・・・

あと本と映画(もちろん私は映画はみていませんが)でも人数が違ったり、一番違うのは原作では唯一の女性が肥満気味の中年女性だけれど、映画では木村多江さんが演じていて、ずいぶん若いし、すらっとした女性に変わっていますね。映画ではエルメスと提携したりしていて、原作を読んでいると、贅沢なエルメスと無人島暮らしは結びつかないんですけれどね・・・

それにしても、すごい。こういう極限の状況に置かれる人間の心理を、はじめは女性の視点でかかれているんだけれど、後半からは他の男性たちの視点でも描かれるようになってくることで面白くなってきます。

それぞれいろんな事情があって、過去を隠したり、自分の本当の気持ちを隠したり。無人島で一人では生きていけないけれど、人を信じてもいけない、そのためにいろんな策略をめぐらしたり、結局はどこでも同じなのかな~なんて思ったり。そんな辛辣な皮肉さを感じました。
こういう作品は久々に読んだけれど、面白かったです。
 

また図書館に行って、未知の本の世界に飛び込んでこようと思います!