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昨夜、ふとバルコニーのドアを開けたら、知らぬ間にちょっと雪が降っていたみたいで、
うちのバルコニーも通りも、みんなまた真っ白に塗り替えられていた。
夜遅かったので、見渡す限り、足跡もなく、ただお隣の駐車場にタイヤのあとが二本残っているだけだった。
でも何よりもはっとしたのは、そのあまりの静けさ。

うちのアパートのビルディングのある通りはいつも車が行きかっているのに、その瞬間は車の音もまったくせず、
まるで雪がすべての街の音を飲み込んで吸収してしまったかのようで、寒さも感じずに、しばらく外をぼーっと眺めていた。

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そんな何てことない瞬間に「幸せだなあ」とそう感じた。

それからそんな「幸せ」は案外日常のいろんなところに転がっていることに気がついた。


週末の朝の、時間を気にせずにゆっくりと楽しむコーヒータイム。

それにデイブとの何気ない会話。

夜の寝る前の読書時間。ベッドでリラックスしていい本を読むその贅沢さ。

会社での同僚たちとジョークを言い合うちょっとしたブレイクタイム。

会社からの帰り道の日没前のきれいなグラデーションの空を眺めるとき。

その溶けるような青や、紫、黄色の背景に映る木々の影の美しさ。

おいしい白ワインを飲んでいるとき。

チーズもあるとなおいい。

いい仕事をしたとき。


最近ずっと忙しくて、それはそれでやりがいもあっていいのだけれど、やっぱりどこか心のゆとりがなくなっていたことを
その雪の夜の静けさではっと知らされた感じ。

こういうちょっとした幸せがあるから、生きていける。

それを忘れず、感じられる、私でいたい。

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