映画「Alive」を観ました。

生きてこそ


93年のフランク・マーシャル監督作、イーサン・ホーク主演。

1972年、ウルグアイのラグビーチームを乗せた飛行機がアンデス山脈に墜落、45人の乗客のうち16人がなんと72日間もの間、極寒のアンデスで生き延びたという実話を元にした映画です。

私はこの映画のことは知っていたんですが、生き延びるために亡くなった友人を食べる、というショッキングさに敬遠して今まで見ていなかったのです。

作品はこの「人を食べる」というところにはそれほどショッキングに焦点を当てず、さらっと流している感じもしました。
生還までの道のりも淡々と語られていく感じで、それがこのストーリーに力強さを与えていたんじゃないかな、と思います。

それにしても、うーん、いろいろ考えさせられました。
個人的に実話に基づく映画を観ると、かなり影響されやすいので、これも心にずしり、とのしかかりました。

生き延びるために、亡くなった友人を食べなければいけなかったこと。
DVDには 「Alive: 20 Years Later」というドキュメンタリーも収録されていて、実際の生存者たちのインタビューなどがあったのですが、やはりかなり葛藤した様子。

自分がそういう状況にいたらどうしただろうか、とか、事故から20年後も生存者、そして亡くなった人々の家族が同じ街で暮らしているということで、この事故で亡くなり、しかも遺体を食された乗客たちの家族たちの心境などを考えると、本当になんだか心が沈みそうになってしまった・・・

映画自体はもうすこし、やつれた感じがあってもよかったんじゃないかな、という気がしますが、撮影はカナダのロッキーで行われたそうで、生存者のナンド・パラードさんがアドバイザーとして映画制作にも関わったということで、そういうリアルさはところどころに感じられました。

とにかくすごい作品。重いですが、ぜひ一度観てみるといい作品です。