かなり前の話になるのですが、デイブの故郷であるHamilton市にまた半日小旅行してきました。

そのちょっと前に、トロントのSpadina Houseに行ったとき、ガイドさんがこういうのに興味があるのなら、ハミルトンのWhitehernにも行くといいわよ、とおすすめされたので、行ってきました、Whitehern Historic House and Garden。

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http://www.myhamilton.ca/myhamilton/CityandGovernment/CultureandRecreation/Arts_Culture_And_Museums/HamiltonCivicMuseums/Whitehern/index.htm

http://www.whitehern.ca/

ここはMcQuesten家が1852年から1968年にかけて暮らしたおうち。
ドクターであり、鉄鋼業で財を成したCalvin McQuesten氏からこのおうちでの生活がはじまり、彼の息子とその子供たちまでの三世代によって守られた歴史的建築物です。

ハミルトンは前にも紹介したDundurn National Historic Siteのほうが有名だけれど、ここも昔の召使さんが着ていたようなコスチュームを身にまとったガイドさんが室内を案内してくれます。

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ガイドさんがはじめにとっても丁寧に家族の歴史、家族一人一人の物語を写真を手にして話してくれたのがよかった。

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この家族はWhitehernの第一世代である父親Calvinが3回結婚。そのうち生き残った子供が男の子二人。
その息子のうちの一人、次男のIsaac Baldwin McQuestenがWhitehernの第二世代。
彼は7人の子供を授かり(うち一人は病死)、彼らがWhitehernの第三世代。

どの世代にも興味深い歴史と物語があって、とってもおもしろかったです。

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第一世代では父親の3番目の妻がいわゆる「いじわるばばあ」的存在だったようで、敬虔なクリスチャンで、節約を好む家柄だったのに彼女はショッピング大好き、当時のいろんなトレンドの家具なんかを買い集めたとか。

McQuesten家としては彼女はかなり嫌われていて、夫にも疎まれ、自分の子供ではない二人の義理の息子たちにも父親が亡くなった後、彼女に財産を残さないように、といわれたりしたそうですが、歴史としては彼女が当時贅沢に買い物をしたおかげで、今当時の面影、生活、流行がわかるようになったそうです。

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第二世代はIsaacが父の遺産を受け継いだはいいものの、もともと大のお酒好き、プラスどうやら薬物依存にもなっていたようで、そこから精神的にも不安定になり、ビジネスでも失敗し、家族に多額の借金を残して40歳の若さで亡くなってしまいます。

残されたのが妻Maryと6人の子供。父親Calvinが残してくれた遺産でなんとか借金は返せたものの、今まで上流階級で苦労なく育ってきた家族がいきなりの中流家庭へ落転。Maryは女手ひとつでなんとか家族の経済を盛り返そうとがんばります。

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第三世代で一番成功したのは次男のThomas Baker McQuesten。母親Maryが彼女の父親の名前をとってつけた、彼女の子供の中でも一番のお気に入りだったとかで、かなりの期待をかけられたみたいです。

その期待を裏切らず、後に政治家となり、トロントに今でも残るQueen Elizabeth Highway(QEW)の建設にかかわったりしています。

が、その成功の裏にはもちろん多くの犠牲があったわけで、三女のRubyが教師となり、その給料のほとんどを弟Thomasの学業のために差し出したとか。

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Rubyはその後結核にかかり、ある男性からプロポーズもされるのですが、母親に反対され、生涯未婚のまま31歳で結核のため亡くなってしまい、上で紹介したウェブサイトでも彼女は家族のためにすべてを犠牲にした悲劇のヒロイン的な紹介になっています。

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他にも子供6人みんな、なにかとあって、一人は精神障害もちで、前頭葉切除(だったかな?)の手術を受けて、家族からも「彼女の名前は聞かれない限りは持ち出さないこと」なんていわれていたりして、かわいそうです・・・

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でも、他のこういう歴史的建築物とその家族の説明よりもずっと詳しく、よりリアルで、すごく親近感も沸いたし、興味深かったです。

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ハミルトンもなかなかいいよ?。