本日もちょっとまだ寒いけれど晴天なり。
で、今日はデイブの生まれ育った街Hamiltonへ行ってきました。

ハミルトンへ行くのは多分これで4度目くらいかな?
この間Casa Lomaに行ったら、デイブがハミルトンのDundurn Castleというところも行かなきゃ、というので、早速この週末行ってきました。

Dundurn Castle
http://www.myhamilton.ca/NR/exeres/07027F55-5B50-4553-807E-610C99B16EF6,frameless.htm?NRMODE=Published
はカナダの弁護士であり州首相でもあったSir Allan Napier MacNab(1798-1862)が暮らしていた豪邸です。

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この建物は1835年に完成し、現在公開されいるのはMacNab氏の絶頂期であった1855年を基に復元されていますが、家具や様々な小物は当時のままということです。

Dundurnとはゲール語で「堅固な砦」という意味だそうですが、砦というごつごつした感じはなく、非常に優雅でした。

私はここ、すごく気に入りました。
というのは全体的にCasa Lomaよりもいい状態で保存されている感じがするし、当時の暮らしぶりがリアルに感じられるようになっているからです。
そして当時の人々のような格好をしたスタッフが館内を案内してくれるので、よりこの建物が身近に、そしてよくわかります。

建物に入ってすぐ迎えてくれるお兄さんが「どこから来たんだい?」と聞くので「トロントから」というと、「それはそれは、長旅で。きっとあなた達を乗せてきた馬たちは8時間もの旅で疲れていることでしょう」なんて冗談を言っていたりして、なかなかお茶目です。(当時はどうやら馬車でトロントからハミルトンまで8時間もかかったようですね・・・今は車で1時間ちょっとで着きます)

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館内を3人くらい、場所によって違うスタッフが案内してくれるのですが、彼らが非常にフレンドリーでしかもみんなの質問にもきちんと答えてくれるし、とてもいい印象でした。

内部はどの部屋も思っているよりは狭いのですが、それは寒いカナダらしく、冬、館内の暖をまわりやすくするためだったとか。

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ここにはMacNab氏の家族(夫婦と、お母さん、あと子供が3人、奥さんのお姉さんも一緒に暮らしていたようです)と10人の召使達が一緒に暮らしていたそうです。

女性達が集うお部屋はピンク一色でまとめられた非常にフェミニンな内装。

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男性達は顔を合わせればやはりタバコ(というか当時はパイプですかね)を楽しみたいわけですが、女性達がそれを嫌がったので、女性達の集うこのお部屋から離れて奥まった小さな部屋にスモーキング・ルームを作って男同士、気兼ねなくしばらくの時間を過ごした、なんていうエピソードもなんだかよかったです。

他にも当時の女性達は今のように大きなバスタブを使ってのバスというのはせず、自分の部屋やキッチンにお尻が入るくらいの小さな小さなタブでのいわゆる行水をするだけだったとか。(下の写真の左隅に見えるのがその小さな行水タブです)

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MacNab氏はパイプをつないで蛇口をひねると水が出てくるという当時としては進んだバスルームで、全身が浸かれるようなバスタブを持っていました。
が、このバスタブの蛇口から出てくるのは外に貯蓄されていた雨水ということで、夏は生ぬるい水、冬ならば冷た?い水というのでびっくり。
でも当時は冷水のバスは体にいいとされていたんだそうです。

そういえばこの優雅な豪邸で一番の目玉は素敵なダイニングルームや応接間ではなく、なんと2メートル四方にもならないくらい空間。
それは水洗トイレのある場所で、当時は水洗トイレというのは非常にめずらしく、高価であったとか。
なのできっとここに招かれら人々はこぞってこの水洗トイレを試したことでしょう・・・

小さな子供達のこれまた小さなお部屋も可愛らしかったし、どの部屋もコンパクトにまとまっていました。

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子供達は多くの部屋に入ってはいけない、といわれていたそうで、その辺も時代を感じさせますね。

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そしてやっぱり面白かったのは表の部屋よりも、裏の部屋、つまり召使達が働き、過ごした部屋。
ここでは地下がキッチンや様々な作業場、彼らの部屋になっていて、目的別にたくさんの部屋や貯蓄庫がありました。

特にランドリールームとキッチンが興味深かったです。

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特にランドリーは3日がかりで行ったそうで、大変な仕事だっただろうなあ、と思います。

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またここでは食器洗いは12歳くらいの女の子の仕事だったそうです。当時は子供が働くことが普通だったわけで、しかもここではいい召使を見つけるのは大変だということで、当時としては非常にいい待遇で、時給もよく、プラス衣食住込み、という仕事だったので、かなりいいお仕事だったようです。

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面白かったエピソードの一つは当時ここで働いていた子供達にはもちろん食事が支給されたわけですが、それには「ヘルシー・ドリンク」も含まれていたそうなんですが、何だと思いますか?

なんと、ビールだったそうです!
というのは当時、まだ水に含まれるバクテリアが人体に及ぼす影響というものはあまり重要視されておらず、でもやはり飲めばお腹をこわす、何てことが重なれば、「なんかおかしい」と思うわけで、それなりに気がつき始めていたようで、ビールを造るには水を沸騰しますよね。だから水の中のバクテリアが殺され、ビールは健康的と思われていた、とか。
本当かなあ??

トロントにお住まいの皆さん、ここ、とってもおすすめです。個人的にはCasa Lomaよりも断然こっちの方がおすすめ!
ハミルトンはこじんまりしたきれいな印象の街です。(本当は鋼鉄で知られた街で、どうも工場の吐き出す煙で公害が問題視されているそうですが・・・)

他にもまわったところもあるんですが、それはまた次回。