デンゼル・ワシントンとラッセル・クロウ出演、リドリー・スコット監督作「American Gangster」を観てきました。
http://www.americangangster.net/

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いやあ、これはまたすごい大作ですね。

これは実在の人物、アメリカ、NY、ハーレムで麻薬王として君臨していたフランク・ルーカスと彼を追う刑事リッチー・ロバーツ(ラッセル・クロウ)、そしてこの二人を取り巻くほかの警察官(いわゆる賄賂をもらって麻薬取引を黙認していたり、見つけたお金を猫ばばしていた警察官がとても多かったらしい)の様子を描いた作品です。

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デンゼルがギャング、麻薬王っていうことですが、やっぱりデンゼルはかっこよかったです。
普段はギャングとは思えないようなシックでジェントルマンな彼ですが、彼が怒ると怖いです。
こういう人の方がやっぱり本当に怖いんだろうなあ。

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映画としては、かなりの時間を情報を見せる形で埋めているので、実際にいろいろと起こるのは短いです。
その辺初めから中盤まで、私のようなイングリッシュ・ネイティブでない者にとってなかなかわかりにくいところも多かったです。

アメリカの60年、70年代の歴史背景がわかっている方がこの作品を観るにもわかりやすいと思います。

ちょっと見はフランクが悪でリッチーが善のように見えるけれど、見方によってはそうでもなくて、奥深いです。

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それにしても、まあすごい人なんですね、このフランク・ルーカスという人は。
デンゼルのインタビューを読んだら彼も言っていたけど、フランクは白人至上主義者に従弟が射殺されるのを6歳のときに目撃したこと、きちんとした教育を受けなかったこと、仕事がえられなかったことなど、いろんな状況で麻薬販売の道にそれてしまったわけですが、でも頭のいい人なんですね。きちんとした教育を受けていたら、彼にももっと違う道が開けていたかもしれないですよね。

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彼は今も健在で、当時、同じエリアで同業だったニッキー・バーンズ(映画ではキューバ・グッディング・Jrが演じています)となんと30年ぶりに会話をしたというその様子がネットで読めるんですが(こちら→http://nymag.com/guides/money/2007/39948/)これもかなり興味深かったです。
その中でフランクが「Denzel Washington did more than a good job, he did a hell of a job. Nobody in the world’s as good as Denzel.」??「デンゼル・ワシントンはいい仕事をしたって言う以上の、ものすごい演技をしたよ。この世界でデンゼルほどすごいやつはいない」とべた褒めしています。

いろいろと感じたこともたくさんあるんですが、なかなか表現するのが難しいですね。

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フランクは仲介人をとりはらい、自分で買い付け、そして販売。そこを自分の家族、親戚を使い、多分彼らにもきちんとしたビジネスの教育をしていたんでしょうね。かなりの純度のものを売りながらも、彼らは麻薬に狂うことなく、仕事をしている感じですものね。

なんかでもやはりフランクがちょっと美化されちゃってて、悪いのはCrooked cops(日本ではなんていうんだろう、悪に染まった警察官とでもいいましょうか)って感じになっちゃってますが、やっぱりフランクの犯した罪は大きいと思う。
たくさんの人が彼の売った麻薬で亡くなり、そのビジネスプロセスの中でも死んでいった。

まあその麻薬の怖さみたいのも作品では描いてはいますけど、見る人によっては「かっこいい」になっちゃいそうで怖いですね。

しかし、これ、こっちでは金曜日公開だったのですが、今日日曜に見に行きましたが、平均的観客の年齢は結構高かったなあ。

これでデンゼル、またオスカーにノミネートされるかな?
日本では来年1月に公開のようですね。
北米にお住まいの皆さんはもう観れますよ?。
基本的にはギャングものは苦手でほとんど見ない私ですが、そんな私でも楽しめた(映画として)ので、同じようにギャングものはちょっと、って人でも観れるんじゃないかな。

あと、個人的にはあまりわかってないですが、多くのヒップホップアーティストも出演しているようです。
あ、あと私の好きなアンソニー・ハミルトンも曲を提供していました!しかもクラブシンガーとして出演してます(かなり短いけれども)。
たくさんの有名な曲も使われていたし、音楽の面で注目している人も多いかと思います。

とにかく注目の作品です!