マイケル・ムーアの新作ドキュメンタリー「Sicko」をようやく観てきました!
http://www.sicko-themovie.com/
(日本では8月に公開のようですね。日本のオフィシャルサイトはこちら→http://sicko.gyao.jp/)

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アメリカの医療サービスを扱った今回の作品も非常にいい出来でした。
個人的には前作よりも気に入りました。

扱う事柄は重いことだし、旦那さんや娘さんを亡くした人たちの話なんかはほんとうに悲しくて涙ものなんですが、あちこちに音楽とユーモラスなナレーション、映像をちりばめ、笑えるシーンもたくさんあって、さすがだなあ、と思いました。

アメリカの医療制度(というより医療保険制度といったほうがいいかな)でどれだけの人々が苦しんでいるか、その一方、他の国では人々は一体どんなヘルスケアサービスを受けているのか。その落差たるやすごいものです。ここカナダもアメリカと照らし合わされて紹介されていました。もちろんカナダの医療制度にだって問題はありますよ。でもアメリカに比べれば全然ましだなあ、と本当に思いました。

マイケル・ムーアはカナダ、イギリス、フランス、はたまたキューバまで足を運んでいます。
テロ時にグラウンドゼロでレスキューにあたった消防隊員や救急隊員などがそこで作業をしたことで体に異変が起きたのにもかかわらず、保険でカバーされず苦しんでいると言うことを取り上げ、同時にアルカイダ等のテロリスト容疑者や銃犯罪者を収容しているキューバのグアンタナモ収容所では容疑者達が非常にいい医療を受けているということで(まあこれが本当かどうかはわからないですが)、この消防隊員や救急隊員、または高額の医療費を払えずに苦しんでいる人々をこの収容所付近まで連れていって、彼らがアメリカ人として受けるべき医療サービスを要求するんですが、このキューバでの行動がすごく印象的でした。

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あんまり話すと、これから見る人のためにもつまらなくなるので、これ以上は話しませんが、いい話だなあ、と思うのと同時に、アメリカの医療制度の悪さが浮き彫りになって、本当に悲しくなります。

本来ならば病人を助けるための医療保険が人々を苦しめ、死に至らせているということ。
そして多くのリッチな政治家、保険会社の幹部達はそんなこともお構いなしにより多くの利益をもたらすために大金をあやつっている。

もうとにかく「悲しい」の一言です。

でもマイケル・ムーア、やっぱりこの行動力はすごいですね。
彼については賛否両論のようだけど、私は彼のように行動できる人はやっぱりすごい、と思います。

カナダに住んで、カナダの医療保険にお世話になっている私には、他の国の話であるからそれでも「アメリカは大変だよね。ここはちゃんと保険があってよかったよね」というところに落ち着いてしまいますが(それは多分日本でも同じと思うけど)、でもアメリカのみならず、イギリス、フランス、キューバの医療制度なんかを見て、他の国の人々が考えることもたくさんあるんじゃないかな。

アメリカ人がこれを見てどう思うのか。何ができるのか?やっぱり難しいですよね。

でもこういう非常に啓蒙的でありながらもエンターテイメントなドキュメンタリーをつくって、何かしよう!!と問い掛けるこういう作品があるということ、素晴らしいと思います。

なんか全然まとまらず、なかなかうまく表現できてないですが・・・

興味のない人は全然興味ないかもしれないけど、非常に興味深い作品なので、おすすめです!