かなり前のことになるんですが、Donny Hathawayの「Extension Of A Man」というアルバムを買いました。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1209446

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彼のライブ盤が素晴らしくて他のアルバムも気になっていて、本当はこれでないのを購入するつもりだったんですけど、ネットで購入したのでどうやら自分がお目当てだったのとは別のこのアルバムをオーダーしてました・・・

このアルバムはDonny最後のアルバムということで、邦題は「愛と自由を求めて」。
Donnyってとっても真面目な人だったんじゃないかなー、と彼の事を調べ、曲を聴いて思いました。
そしてやっぱりとっても賢い人だったんでしょうね。その賢さゆえにいろいろ悩んで悩んで、絶望を感じてしまったのでしょうか?

このアルバムでも冒頭のオーケストラインストの「Love the Lord; He Heard My Cry」、有名な「Someday We'll All Be Free」そして「Lord Help Me」で幕が閉まるわけですが、そのタイトルを見ているだけでもなんだか彼の苦悩と希望への切望がうかがえる感じがします。

彼はクラシック音楽の勉強もしたそうですが、ここでもオーケストラの曲があるように、「ことば」に頼らない音楽を作ったりいろんな形で自分の思いを伝えようとしているのも、彼のそんな苦悩から来るものであったのかも・・・

でもまあやっぱりDonnyってすごい!
彼の音楽才能はほんとうに天才的なものだったようで、どんなジャンルもすぐに飲み込んでしまったそうですが、
このアルバムでもソウルミュージックという枠を飛び出して、インストのオーケストラの曲もあれば、ワウギターを使ったり、AOR調、ファンク調、そしてリズム&ブルース、とまったくジャンルにとらわれていない。

個人的には「Love, Love, Love」が一番好きです。
これ、SAKURAさんもカバーしていた気がするなあ。

「Come Little Children」もかっこいいし、「Slums」も気に入った。

Donnyの低音がすごくセクシーで素敵ですね。
彼はほんとソウルシンガーの中でもなかなかカテゴリーにはめるのが難しいんじゃないかなあ、と思う。
やはりそれだけ多彩でずば抜けていた人だと思うんですよ。
マーヴィンも素晴らしく、社会的な曲を発表してるけど、
Donnyにはもっと優しさと弱さがあって、独特の雰囲気をもっていると思う。
そして曲からも非常にそのインテリジェンスが感じられるのも彼が他のアーティストとはちょっと違うところでしょうか・・・

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これは73年の発売っていうけど、まったく古臭くないもの。
彼がもっと長生きしていたら、いったいどんな音楽を築いていったのか、それを聴くことができなくなってしまったのは非常に残念ですね・・・

でもなんか自分の頭の中で彼の不幸な死というのがちらついてしまって、このアルバムは全体的にどうもそういうbitterな雰囲気を感じてしまってます・・・
こういう聞き方はよくないんだろうけどね・・・

Donnyはまだまだ聴きたい!
幸か不幸か、あまりたくさんのアルバムを発表しているわけではないので、全部そろえたいなあ。
とりあえず次はお目当てだった「Everything Is Everything」をゲットしたいと思います!

Donnyについてはこちらで詳しいことがわかります。
http://www3.ocn.ne.jp/~zip2000/donny-hathaway.htm