Citizen Kane、日本では「市民ケーン」と言う題で知られている有名な作品です。
オーソン・ウェルズがたった25歳で監督主演したというんだからすごい!
非常に有名な作品なんですが、1941年の白黒映画ってことで今まであまり興味がなかった、というよりも近寄りがたかったんですが、デイブが見たいと言うことで借りてきました。

2b48f8f0.jpg


「新聞王ケーンが、“バラのつぼみ”という謎の言葉を残して死んだ。新聞記者のトンプソンは、その言葉の意味を求めて、生前のケーンを知る人物にあたるが……。様々な人物の証言から、新聞界に君臨した男の実像が浮かび上がる、斬新な構成と演出で評判を呼んだ、ウェルズ弱冠25歳の処女作。」(allcinemaより)

やはり名作と知られているだけあるなあ、というのが感想。
みていて白黒だなんてことはすっかり忘れてしまいます。

キンキン声で騒ぐ女性というのはなんとなく時代を感じさせますが・・・
当時の女性って言うのは本当にあんなに声が高かったのかしら??
女性らしさというのが今よりももっと見た目などにも求められていた時代だからわざと高い声を出していたんじゃないかと思うんだけどね・・・

それはいいとして、ウェルズ、25歳って言うけど、老けて見えますねー。
もちろんケーンが歳をとっていくわけだからその辺は特殊メイクをしていたようですけど、それにしても老けて見える!

DVDには「Battle Over "Citizen Kane"」というテレビ番組がついていたんですが、
これがすごく興味深かったです!
ここでもウェルズがいかに早熟で、自信家で、そしてアイデアマンであったかが紹介されているんですけど、
やっぱりそういう自信が見た目にも出て、実際よりも年上に見えるのかな??

作品についてはもういうことなし、やっぱり名作と言われるものは一度見ていて損はしない、と思います。
「素晴らしき哉、人生!」より私はこっちのほうが好きだな。デイブは多分反対だと思うけど。

14bc0921.jpg


で、この作品ですが、モデルになる人物がいたんですよね。
新聞王ハーストと呼ばれていた、William Randolph Hearst。
26の新聞社を買収、世界各地から物を買い寄せ、お城まで買って、贅沢を尽くしたそうですが・・・
彼は政治にも参入して、大統領になるという野心もあったようですが、こればっかりはお金だけでは買いとれないわけで・・・
愛人はショーガール(?)だったマリオン・デイヴィス。30歳くらい年が離れていたようです。

(その辺はこちら→http://www5b.biglobe.ne.jp/~madison/mondo/m_09/m_09_1.htmlで詳しく読めます)

たしかにハーストがモデルなのは明らかですが、ここにウェルズ自信の人生もミックスされているんですね。

でもやはりハーストはこの作品が公開されることを恐れ、ウェルズと映画製作会社に圧力をかけます。
ウェルズはコミュニスト扱いされてFBIのターゲットにもなったとか・・・
作品は素晴らしくても、新聞、雑誌、映画、その他もろもろのエンターテイメントとメディア界にとってハーストの力は絶大なもので、結局彼を恐れて上映する映画館が少なかったし、アカデミー賞でも9部門にノミネートされたものの、取ったのは脚本賞とかでウェルズ本人も4部門にノミネートされていたけれどひとつも獲得できず。

やっぱりこれはアカデミーとハーストが裏でやりとりしていたんでしょうかね・・・

でも時代は流れ、ハーストは亡くなり、いまやこの作品は名作と呼ばれるものになったんだからすごいものです!

とはいってもオーソン・ウェルズのキャリアは数年はよかったものの、その後は人気も低迷・・・

実は私もこの作品を見るまではウェルズといえばあの英語学習の通信教材の広告に乗っていた顔と言うイメージのほうが強かったのです・・・(わかるかな?)

でも25歳でこんなすごい作品を作るとはやっぱりすごい人ですね。

日本のDVDにもこの「Battle Over "Citizen Kane"」はついてるのかな?
私はこういう実在の人物(ディカプリオ主演の「Aviator」もそうだったけど)を掘り下げて紹介されるSpecial Featureものを見ると、すごく興味が湧いてきて、こういう人たちの本を読もうかなーとかいつも思うんですが、
やはり英語となると、腰が重くなっちゃうんですよねー。

でもハーストもウェルズもどっちもおもしろそうだな。たまには英語の本も読もうかな・・・
あ、あと「ザ・ディレクター[市民ケーン]の真実」というこのハーストとウェルズの戦いが描かれた最近の作品もあるそうで。これも気になるな、チェックしてみようかな?

さて皆さんはこの名作、ご覧になっているでしょうか?
皆さんの感想もぜひ聞かせてほしいです。