The Constant Gardenerをみました。

日本では「ナイロビの蜂」という題で
5月に公開予定ってことですが。
公式サイトはあんまり詳しいことまだ
アップされてないようなので、
こちらをどうぞ。


これも私の「オスカーノミネート作品を見よう!」
キャンペーン対象作品でございます。

何にノミネートかって言うと、
助演女優賞にレイチェル・ワイズ、
その他脚色賞、編集賞、作曲賞ということで。

なんでレイフ・ファインズはノミネートされてないの?
という気もしないでもないが。

これも、素晴らしい映画です。

アフリカで何が起こっているのか、
それを探るアグレッシブな妻。
何者かによって殺害された妻が何を追っていたのか、
彼女に代わって「彼女がはじめたことを終わらせたい」
とその死後、彼女の足どりをたどっていく夫。

なんだろう、なんとも壮大な愛の物語でもあるんですが、
アフリカを取り巻く状況とか、
みていると胸がしめつけられそうになります。

外交官である夫の立場を考えて、
自分のやっていることを夫に告げられなかった、
そのことで自分は一番愛している人を裏切っている、
という想いで亡くなっていったであろう妻。
そしてそこまでして命をかけた活動を
自分の手で終わらせられなかったその非業さ。

そして妻は活動のパートナーと
付き合っているのではないか、という
疑問を抱きながら、愛する人の事をもっと知りたいと
キャリアも捨てて歩き回る夫。

そこにうまく社会的な問題を取り入れて、
実にダイナミックかつ繊細に描かれた作品だと思います。
映画の撮り方が、きれいだけどリアルで。

「CRASH」もリアルだったけど、
あれは北米の夜に潜むリアルさ、
みたいな感じだったけど、
こっちはアフリカの強い陽射しに照らされた、
非常にオープンなリアルさというか、
うーん、説明しがたいんですが・・・。
こっちはやっぱりもっと命の危険、
っていうリアルさ、があります。

こっちで公開されたときは
それほど話題になっていなかったんだけど、
もっと話題にされるべきだった作品だと思う。

日本でも愛の物語としてではなく、
社会的な作品として、見てほしいと思います。


それにしても、レイチェル・ワイズ、きれいです。
彼女はああいう普通の格好しているときのほうが
断然美しい。
でもお茶目な感じがwかわいいんです。
レイフもかっこよかったですよ。

これを見て、またいろいろ考えました。

アフリカの遠くの村から歩いてやってきた子供たちを
車で送りたい、という妻に
「ここにいる人たちみんなを助けることはできないんだよ。
僕には君を家につれて帰るのが優先」といった夫。
それに対して「でもそのうちの3人を
私たちが助けられるのに」と言った妻。

そのあと、夫はあるアフリカの少女を救いたいと
国連のヘリに連れ込んだことで、機長に
「子供はここに何千人といる。
この子一人だけを特別に助けることはできない、
それがルールだ」といわれ、
「その何千人の一人でも助けることができる」
というんですね。

まさに妻が言っていたことと同じことを
彼が言うようになるわけです。

その辺、本当に「ああ、そうなんだよね」と痛感。
たくさんいるから、選べないから、
全てをあきらめるのではなくて、
そのひとつでもいい、
自分にできることをやればいいんだ、と。
そういうことから始まっていくんだ、と。

私たちは実に恵まれた環境で、
便利な生活をしていて、
他の国がどのような苦境にあるのか、
見落としがちになっていると思う。
この便利さは、もしかしてそういう人たちの犠牲のもとに
得られたものかもしれない。

そんなことを、考え直すべきではないか、
などと思わせる作品です。