またまた図書館で借りたガーデング・ブックの紹介でございます。


Beyond the lawn by Keith Davitt 




Keith Davittさんはアメリカのニューヨーク州を拠点に活動するガーデンデザイナー、ライターさん。

これ、最近紹介した二冊と比べると、本や庭の質と言う意味ではちょっと引けをとるかなあ、と言う感じがしてしまうのですけれど、でも読んでみると、なかなか面白い!

というのは、取り上げられている庭のほとんどがシティ・ガーデンの小さな庭。
よく本や雑誌で言われる「スモール・ガーデン」はイギリスやアメリカの郊外の観点から見た「スモール」さで、トロントの私の庭から見ても「十分広いじゃん」と思える広さだったりします。

でもこの本で紹介されているお庭は、本当に小さい!
これこそ、「スモール・ガーデン」だよな!と思える大きさです。


この本は「芝生じゃない庭を楽しみませんか?」というのを石を使った庭、植物中心の庭、テラスのある庭、など実際の個人のお庭を例に紹介しています。

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こんなふうにほとんど1-2ページで簡単にそれぞれのお庭のデザインの解説がしてあります。
30以上のお庭が紹介されていると言うのも嬉しいところ。

お庭によってはBefore and Afterの写真があったり。

最初パラパラめくって見たときは「なんか私がいいなと思うお庭が思ったよりないかも?」なんて思ったんですけれど、この本は庭の大きさ、そして実際のプロジェクトとしても、一番現実的だと思いました。

つまり「これならうちの庭にも取り入れられるかも」という要素が多い。

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他にも紹介されたお庭が、こんな風に別バージョンでもできますよ、というスケッチ↑があったり。

ただデザイン中心の解説が本当に簡潔に示されているだけなので、細かい植物の紹介もないですし、写真も画像があまりよくなかったりします。
2003年に出版されたと言うので、それは仕方ないのかなー。

そういうことで「全然最近のデザインじゃないじゃない!」という方にはおすすめできませんが、特にそういう時代性を感じさせるものでもありませんし、今でも十分参考にできるかと思います。

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↑こういうのは、なかなか私好み。
でもこの本の中ではこういうお庭ができてくるのは稀です・・・

多くがあまり植物中心の庭ではないので。

あと、植物中心のものでも、「ちょっとこの色あわせはどうよ・・・」と思うのもあったりするのですが、著者はその辺の「変更すべき点」なども挙げながら、でも大まかなデザインとしてこういうのがありですよ、というのを示しているのだと思います。

なので、パーフェクトなガーデン・デザインを求めて見ると、がっかりするところも多いかもしれません。


だから全体的にこれはガーデニングしない方にわかりやすく「芝生なしでこんな空間が作れますよ」と紹介するのにはすごくいいかな、と思いました。

半分枯れているような、または雑草だらけで放置されている芝生を見なかったことにしている人、芝刈りにうんざりしているお父さんなどに「ほら!」と見せるのにうってつけかも。

その代わりガーデナーにはピンポイントでのアイデアがあちこちから得られるのではないかと思います。


個人的にはもっとこの「芝生なし」の庭の利点、特にエコの観点での、を書いてくれてたらいいんだけどなー、とやはり芝生なし庭が好きな私は思ったのですけれど。

きれいな芝生のある庭に憧れる気持ちはわからなくはないのですが、大体、水や肥料もたくさん必要とするし、芝刈りのローンモウワーのエコ的問題もありますしね。

どうせならお花が楽しめるものとか、リクリエーションに適したものにするとか、その空間をもっと活かしたものにしたほうがただの一面の緑っていうのより楽しいじゃないですか?

こちらでは特にもうお約束のように芝生になっていて、それを変えるのもなんだし、ととりあえずシーズン中は芝刈りだけする、という家が多分多いんじゃないかと思います。

あとはやっぱり芝生にくっついてくるソーシャルステイタスみたいのもありますけど・・・

でも少しずつ芝生なしの庭が増えていくのは嬉しいです。

日本ではこちらほど芝生がポピュラーではないとは思いますけれど。


この本は文章になっている部分もそんなに多くないので、見てアイデアを得るのに適した本かと思いますよー。


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