Toronto News Letter

カナダからその生活の様子、趣味の音楽や映画についてを発信。 2011年に念願の家を購入してからはガーデニングに没頭しています!

March 2008

Casa Loma : トロント観光

今日は天気もよかったので久しぶりにトロントの観光名所地であるCasa Lomaへいってきました。
http://www.casaloma.org/

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前に私のサイトでも紹介したことがあったと思うんですが、今までに既に3・4回は足を運んでいると思います。

ここはSir Henry Pellattというナイアガラの水力発電で大金持ちになった人物の豪邸。

1911年に建築が始まり、300人もの職人を投入し、完成するまで3年近くもの年月がかかったというまさにお城のような住居です。

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が、こんな彼の生涯の夢であったお城での生活は10年も持たなかったのです。

というのは当時は個人経営となっていた発電ビジネスが政府によって行われることになり、そこからどうやらPellatt卿のファイナンシャルは傾き始めてきたようです。

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     ↑Sir Henry Pellatt卿

挙句の果てには政府の税金をあげたことなどもあり、Pellatt卿は借金を抱え、この夢のお城を手放さなければならなくなってしまったのです。

なので彼が住んでいた当時もまだプールやら、エクササイズルームなんかを計画していたのですが、それも完成しないまま残されています。

まあ、なかなか寂しい話のおうちなのです。

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久しぶりのCasa LomaはMarch Break(日本でいえば春休みみたいなものです)最終日ということで、Casa Lomaとはまったく関係ないパイレーツのなんやら、とかいう子供向けのイベントが館内で行われていて、子供連れで溢れかえっていました。

ちょっと行く日を間違えたな。子供達がこういう歴史に触れるのはいいとは思うけれど、どう考えてもそういうのに興味があるとは思えず、ただパイレーツのなんやらに騒いで走り回っているだけだったものな・・・

これはちょっと考えものですね。

ただあまり保存の状態もよくないし、いかにもペンキを塗り替えました、って感じの家具や1920年くらいに撮られた写真とは家具がまるで違っていたりするので、ちょっと怪しいなあ?と思える部分がたくさんあります。

まあ、いまはどこもそんなもんなんでしょうか。

でも清掃担当者が置き忘れていったクリーニングスプレーのボトルが椅子に置いてあったり、というのはいただけませんな。

あと今は外装(豪邸の後ろ側)が工事中かなんかで窓からの眺めがさえぎられていたのも残念。
タワーも工事のために登れなくなっていたし。

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でもまあこのPellatt卿のこんなストーリーを思いながら部屋をまわっていくと結構楽しいですよ。

それにしてもすごい設備の家です。
なんだかちょっとフューチャリスティックにも見えなくないシャワー装置だとか、

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館内はたくさんの石炭をおこして暖められていたとか、ワインセラーもアンモニアと塩水の通ったパイプでワインを冷やしていたとか、さすがですね。

でも最近なんだかこういうのを見る自分の目が変わってきて、ただ単に「へえ、すごいなあ」と思うよりも、なんだかもっと自分の立場にひきつけて見るようになりました。

たとえば豪勢なホールだとか、ベッドルーム、ゲストルームを見てもどこか冷めた目で見てしまう自分がいるんですね。
で、使用人たちの部屋だとか、馬小屋へ通じる長い長いトンネルの途中にある加熱炉なんかのほうに愛着もわくし、人間味を感じて本物だ、という気がするんですね。

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凡人である自分には想像もつかない豪華な生活をしていた彼らの暮らしよりも、やはり彼らのために働いていた使用人達の暮らしの方がよりリアルで身近だからでしょうか。

彼らが一体どんな思いで毎日あのお城の中の小さな使用人たちの部屋で生活をしていたのか。
疲れた一日の終わり、一体何を思ってベッドに身を横たえていたのだろう?
使用人たちの部屋のあるエリアの階段の擦り切れ度合いを見て、彼らのご主人様をみんなはどんな風に思っていたのだろう?

加熱炉のある場所は本当に何にもない空間にぽっかりあって、実に隔離されたような感じがするんですが、きっとものすごく暑かったであろうその場所で石炭をくべる男たちが汗水たらしながら、何を思っていたのか?

なんてことを思って見ていました。

こういう自分のものの見方の変化も面白いな。

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カナダは日本に比べるとあまり歴史的な建築物なんかはないですが、ここはCNタワーなんかより、ある意味面白いんじゃないかと思います。

ちなみに昔はXメンの映画撮影でも使われたそうです。
12時間の撮影で30万ほどかかるそうです。

現在の入館料は大人16ドル。ちょっと高いです。
前うちらが行ったときは12ドルくらいだったのになあ?。

今はまだ寒いし、この時期は閉じられているので、暖かくなってからお庭といっしょに楽しむのをお勧めします。




今日の一枚 : お花のブローチ

仕事が忙しくなってきて、今日の一枚、休んでましたが、復活!

なんか最近いろいろ考えることが多いです。

日記でもさっき紹介した映画とか、ちょっと重い内容になりつつありますね。

仕事でもうちの会社はどこからどこまでが誰々さんの仕事、といったことがはっきりしていないので、自分は一体どこまで関与していいのかわからずにいらいらしたり、でも忙しすぎて社長と話す時間すらないし、クライアントから電話がかかってきてしまえばほおって置くことも出来ないわけで、この数日、とにかく多忙でした。

数分単位でやるプロジェクトが変わり、やる内容もまったく違って、全てが同時進行で進んでいるので、どれがどこまで進んでいて、この先何をチェックして、などを把握するだけでも大変。

プロジェクトマネージャーでもないのになぜ自分がこれをしなきゃいけないんだろう?とかなり疑問に思ってきました。

来週もかなり忙しくなりそうなので、精神的にきついなあ、とちょっと心配。

今日もそのあおりで週末なのに気分が晴れずにいます。

と、前置きが長いな・・・

そんな沈んだ気持ちを明るくさせましょう!

といってもあんまりいい題材がないので、こんなんです。

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お花のブローチ。

これはH&Mで買いました。

ピンで留めることもできるし、ゴムもついているので髪を結んだりもできます。

トロントはようやく暖かくなってきて、プラスの気温になりましたが、まだお花の季節というわけにはいかないですが・・・

そろそろ新緑が恋しくなってきたな。

No End In Sight : Movie

「No End In Sight」というアメリカのドキュメンタリーを観た。
http://www.noendinsightmovie.com/
Charles Ferguson監督作。

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日本語での作品紹介はこちら
→http://d.hatena.ne.jp/sasajun/20070907
→http://d.hatena.ne.jp/doiyumifilm/20070813/1187037887

アメリカのイラク侵攻がどのように行われ、軍隊が解体され、その決定がどのように行われていたかを前米国務副長官のリチャード・アーミテージや軍人、学者、ジャーナリスト等イラクにいた人々からいなかった人々までの証言を取り入れて、構成されたもの。

政治というものをよくわかっていない私が言うのもなんですが、一国の運命をたった数人の外国人が握っているという恐ろしさ。
きちんとした論議も交わされず、現地でイラク国内調整のためにアメリカから派遣されたスペシャリストへの知らせもなくアメリカ国内でその状況がつかめていない少数の人間で軍隊解体が決定したこと、大統領がその書類に目も通さなかったことなど、実にずさんな政策がとられていることに驚きます。

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この作品の中のイラク国内の映像でいかにイラクが殺伐としているのか、というのが感じられます。
イラクの人々がアメリカを嫌いになるのも無理もない、と思ってしまいます。

宗教とかっていう難しいことだけでなく、人間としての普遍的な怒りがこの嫌悪の発端になっているのではないでしょうか。

たとえば、今まで仕事があったのに何の理由もなく解雇され、失業してしまったら、やはり怒りますよね。
そして自分の家族、親類、友達が殺されたら、やはり相手を憎むのがあたりまえ。

建前ではイラクの人々が暮らしやすくできるようにお金を投入して、電気、食、薬が行き届くように、なんていっていますが、予算の1/10くらいしか実際は資金が投入されていないという現実。

もしこれが自分の身に起こったら、アメリカを憎まずにいられるだろうか?

そんなことを考えさせられました。

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今年はアメリカ大統領選でヒラリーかオバマかとメディアは賑わっていますが、いまやアメリカ大統領は一国の指導者だけではなく、世界の国々へ多大なる影響を及ぼしているということを、アメリカの人々が感じて投票して欲しいですね。

今まで戦争はよくないというだけの理由でどこかアメリカ批判になっていたけれど、自分がいかに今世界で何が起こっているのかというのをわかっていないか、を見せつけられました。

やはり対岸の火だと思ってしまっているんですね・・・

でもやはり憎しみを生むばかりの戦争には反対です。

日本ではこれ、観れないかもしれないんですが、オスカーのドキュメンタリー候補にもなっていたので、もしかしたら、DVD発売になってくれないですかね・・・

Nigerian Singer Asa : Music

Asaというナイジェリアのシンガーのアルバム、その名も「Asa」を入手しました。
http://www.asa-official.com/spip.php?page=biographie&...
http://asamusic.jp/

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生まれたパリで歌手としての道が開け、今はまだヨーロッパ中心に活動していて、まだ日本や北米までは出回ってきていないようですが彼女、すっごくいいです!!

声は柔らかな結構可愛らしいソウルシンガーで、私は普通、こういうスウィートボイスはあまり好んで聴きはしないんですが、彼女はなんだか特別な雰囲気があるんですよ。
アルバム全体もギターを中心としたアコースティックでさわやかなソウル、なんですが、内容は非常に社会派です。
惹かれたのはそこにあると思います。

やはりアフリカ大陸というのを反映しているんなだなあ、という感じ。
スウィートソウルの下に現実という名の苦い日常が見てとれます。
「窓の外を見れば軍隊が行進している」なんていう詩もあるし。やっぱり平和ボケになりつつある私たちにはパンチのある言葉が次々とつむぎ出されてきます。

本人のメッセージ「私の願いは自分の音楽が人々の心に触れることです。一人のアフリカ人として、祖国の人たちに希望を取り戻したい。そして自分の言葉で語って欲しいんです。私は、黒い大陸からだって美しくポジティブなものが生まれ出ることを示したい。世界中の若者をインスパイアすることもできるんだ、ということを」というのもいいなあ。

しっかりと物事を見つめ、それを伝えようとする真摯な姿勢が歌からも伝わってきます。

曲のほとんどは英語で歌われていますが、何曲かはヨルバ語で歌われています。
やはりアフリカらしいサウンドもちりばめられていて、それも素敵です。

上でも紹介したサイトで詳しく彼女の生い立ちが紹介されていますが、パリ生まれ、それから祖国ナイジェリアに移ったとのこと。1982年生まれ。レコード・コレクターの父親の影響で幼いころからソウルミュージックを聴いていたとか。
このサイトは全曲詞も載せてくれていて親切です。

本人は自分の声を「低く太い声」といっているそうですが、私にはかなりスウィートに聴こえます。
Corinne Bailey Raeなんかが好きな人は気に入るかも。声は、という意味ですが・・・
曲の内容はまったく違うけれど・・・

個人的には「Jailer」(題名からみても社会派って感じがしますね)や「Fire on the mountain」なんかが好きです。
でもどの曲もほんといいですよ!

最近いろんなところで自分が今生きているこの国、この世界とはまるで違った世界があるということ、
例えば私たちはグルメだといっていろんな食べ物を選んだり、あれはおいしくないとか文句をいっていますが、
その反面飢餓に苦しみ、食べるものを選ぶことすら出来ない人々もまだいるし、日常が戦場のような世界に住む人々もいるわけです。

そういう世界がある、ということを日常忘れがちだけれど、心のどこかに留めておきたい、と思うようになってきました。
そこから感謝の気持ちや優しい気持ちが生まれればいいし、なにか自分にできることがあればやりたいなあ、と思う。

でもまずはやっぱりそういう世界があるんだ、って事を知ることが大事なんじゃないかなあ、といろんなものを通して考えさせられました。

話が飛びました。
ちなみにAsa(アシャ)とは「小さいハヤブサ」という意味のニックネームだそうです。子供の頃、逃げ足が速かった事にちなんでつけられたとか。

日本では5月4日に発売ということです。ぜひ!

Michael Clayton/フィクサー : Movie

オスカー候補でも話題になっていた映画「Michael Clayton」を見ました。
http://michaelclayton.warnerbros.com/#

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邦題は「フィクサー」です。(日本のオフィシャルサイト→http://www.fixer-movie.com/

私はあんまりジョージ・クルーニーは好きではないんですが、ティルダ・スウィントンの演技が見たくて借りました。

感想としてはとてもよかった。期待していなかった分、予想以上の出来だったと思います。

ジョージはいつも通りのジョージの演技ですが、やっぱりどっしり安定感があって、安心してみていられますね。

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ティルダも冷淡なビジネスウーマンの顔がぴったり合っていて、でもそこはかとない弱さを漂わせるようなところもうまいなあ、と思いました。
でもオスカーをとるほどの演技か?といわれるとちょっとどうかなあ、とは思いますが。
でも彼女みたいなあまり有名でない人にスポットが当てられるのはいいことだよね。

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そして一番印象に残ったのは、この映画のキーパーソンとなる役を演じていたトム・ウィルキンソン。

何年も大きな会社の薬害訴訟を受け持っていた腕のよい弁護士の役なんですが、この会社のいわゆる汚れた部分を知り抜き、
そしてそれを隠していかなければいけなかった彼の良心は蝕まれていって、ついにすべてを暴露する決心をするんですが、
彼は精神不安定になっていて、時に動揺し、弱々しい感じと、目的に向かって突き進もうとする敏腕弁護士の力強い顔の二つをとてもよく演じていて、
オスカーはハビエルに持っていかれちゃいましたが、でも十分オスカーに値する演技でした。

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とにかく、こういう薬害関係の映画、最近増えていますね。
コーポレーションの闇を描くのに一番わかりやすいからだとは思うんですが、「ナイロビの蜂」なんかもそうだったし・・・

作品としては特に目を引くアクションがあるわけでもないので、その分つまらないと思う人もいるかもしれないです。
でも私はそんなの全然気にせず、楽しめました。

いったい何が起こっているのかを丁寧に説明するストーリーの流れではないし、英語の問題もありますが(私の)、途中まではなかなかストーリーを把握するのが難しかったです。

でもそのちょっとあいまいにして進めるところなんかが全体としてはよかったと思います。

フィクサーであるマイケル(ジョージ)のプライベートと仕事の二つをうまく組み合わせているし。

それにしても、なにか見た後悲しくなる作品です。

人の命が、もっと重みのあるものとして扱われなくてはならないのではないか、会社の利益ばかりを追って、一体何が大切なのか、何を求めているのか、
そんな事を知らずに暮らしていく一般市民である自分のことなど、またまたいろいろと考えさせられる作品でありました。

日本では4月12日から公開ということなので、もうすぐですね。
ぜひ皆さんにも見てほしい一本です。

今日の一枚 : クスクス

トロントも今日は少し暖かくなりました。明日も1度まで上がるって言うけども、今夜またちょっと雪が降るらしい。

昨日、今日とけっこうヘヴィーな映画を立て続けに観ました。
それはまたあとで紹介しますが、いい映画だけど、やっぱりちょっと重いなあ・・・
最近feel good movieを観ていないなあ、そういえば。
何かおすすめありますか?

さて、今日の一枚はまた食べ物。

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クスクスです。
私はクスクス結構好きです。
冷蔵庫にあった野菜を適当に入れ、ちょっと豚のひき肉も入れ、サラダとあわせれば、結構なボリュームになります。

皆さんの今夜の献立はどんなでしたか?

Alicia Keys 「As I Am」 & 「MTV Unplugged」

ここ最近よく聴いているアーティスト第2弾。
Alicia Keysです。
新譜「As I Am」、いいね?。前のアルバムより深みを増した感じで、私はこの新譜のほうが好きです。

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彼女はやっぱりバラードがうまい!そしてさすがピアノ使いがうまいですね。
あとは男性コーラスの使い方もにくい。
ソウル系女性アーティストはけっこう同じ女性バックグランドボーカルで味付けすることが多い感じがするけれど、
彼女は自分の声をひきたたせるうまい男性コーラスの入れ方をしていますね。

大ヒットの「No One」もいいですが、個人的に好きなのはどれもシンプルなバラードの「The Thing About Love」や
「Prelude to a Kiss」そして「Sure Looks Good to Me」の3曲。

「The Thing About Love」は歌詞もいい。

「Superwoman」なんかはこれまた結構面白い歌詞なんだけど、所々入るアリーシャのヒップホップ調の掛け声(yeahとかuhとか)は
私は個人的になくてもいいんじゃないかなあと思う。
なんとなくしっくりきていない気がします。

「Teenage Love Affair」も昔の恋を振り返って振り返って、の歌詞なんだろうけれど、う?ん、こういうのにはどうももう入っていけないなあ。
やっぱり歌詞と曲、両方よくないと。最近そういうのにやたらとこだわるようになってきた気がします。

あともひとつ彼女の「MTV Unplugged」も聴いています。

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これはライブってことで、彼女の歌のうまさが光ってますね!
普通のレコーディングアルバムを聴いていると彼女の歌のうまさが十分に活かされていないような気がするなあ。

あとライブのアレンジもすごくかっこいいですね。
「Heartburn」なんか素晴らしい。
全体を通して非常にハイクオリティーな感じ。

「Wild Horses」もよかったし、Mos Def, Common, Damien Marleyら、豪華メンバーで締めくくられる「Love It Or Leave It Alone/Welcome To Jamrock 」もすごいね。

でもライブの構成として、なんか結構ミディアム・メロウで全体的に進んでいっていたのに、最後だけいきなり違う感じになるのはちょっと違和感ありかも。

この曲自体は盛り上がりもいいし、とっても素晴らしいんだけれども。

彼女、やっぱりすごいですね。自分のやりたい音楽をきちんと持って、周りに流されずにいるというのがわかります。
私は最近ははやってる曲ってほとんど聴かなくなってきたけれど、彼女はやっぱり無視できないなあ。
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